ラグナロク
北欧神話
さあ、みんな、聞いて!これから、北の寒い国から伝わる、とーっても古いお話をするよ。
昔々よりももっと昔、神様たちが住むアスガルドというキラキラした世界があったんだ。でもね、いつまでも平和なわけじゃなかった。
ある時、とーっても寒い冬が、ずーっと、ずーっと続いたんだ。太陽も顔を見せないくらい。これを「フィンブルの冬」って言うんだ。みんなお腹がペコペコで、心もギスギスしちゃった。
そして、いたずら好きのロキっていう神様が、とうとう牢屋から逃げ出しちゃった!ロキは、大きな狼のフェンリルや、海をぐるっと囲む巨大な蛇ヨルムンガンド、それに怖い巨人たちを仲間にして、神様たちに戦いを挑んできたんだ。
それを見た見張りのヘイムダル神は、大きな角笛を「ブオーーーッ!」と吹いた。「大変だー!世界の終わりが始まるぞー!」ってね。
神様たちの王様、オーディンは、勇敢な神様たちを集めて立ち向かった。力持ちのトールは、得意のハンマー「ミョルニル」をギュッと握りしめた。
いよいよ、最後の戦い「ラグナロク」が始まった!
オーディンは、大きな狼フェンリルと戦った。ガブッ!オーディンは食べられちゃった。でも、オーディンの息子のヴィーザルが「父さんの仇!」ってフェンリルをやっつけたんだ。
力持ちのトールは、大きな海の蛇ヨルムンガンドと対決!「ドッカーン!」とハンマーでやっつけたけど、蛇の毒でトールも倒れちゃった。お互いに、すごい力だったんだね。
フレイ神は、炎の巨人スルトと戦った。でも、大事な剣を前にあげちゃってたから、負けちゃったんだ。
ロキとヘイムダルは、お互いに「えいっ!」「やあっ!」と戦って、二人とも倒れちゃった。
たくさんの神様と巨人たちが戦って、世界はぐちゃぐちゃ。最後に、炎の巨人スルトが、燃える剣で世界を「ゴォォォーッ!」と焼き尽くしちゃった。星も全部落ちて、真っ暗になっちゃったんだ。
でもね、これで終わりじゃなかったんだ。
燃えちゃった世界の中から、新しい緑の美しい世界が、ゆっくりと顔を出した。太陽もまた、前よりももっとピカピカに輝き始めた。
生き残った神様たち、オーディンの息子のヴィーザルやヴァーリ、トールの息子のモージとマグニ、そして、死の国から帰ってきたバルドルとホズもいたよ。彼らは、昔の悪いことなんてすっかり忘れて、仲良く暮らすことにしたんだ。
そして、リーヴとリーヴスラシルっていう二人の人間も生き残っていて、新しい世界でまた人々が増えていったんだ。
みんなで、昔遊んだ金の将棋の駒みたいなのを見つけて、「新しい世界でも、楽しく暮らそうね」って話したんだって。
こうして、古い世界は終わったけど、新しい希望に満ちた世界が始まったんだ。おしまい。
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