みんな、こんにちは！今日はね、とっても心優しいお姫様と、十一人のカッコいい王子様たちのお話だよ。お姫様の名前はエリサ。王子様たちはエリサの素敵なお兄さんたちなんだ。

みんなは毎日、お城の庭で笑ったり、歌ったり、とっても仲良しだった。お日様もニコニコ、小鳥もチチチと歌って、それはそれは楽しい毎日。

ところがある日、ちょっぴり意地悪な新しい女王様がやってきて、大変なことが起こっちゃった！女王様は魔法で、十一人の王子様たちを、なんと真っ白な白鳥に変えちゃったんだ。「これからは、夜だけ人間の姿に戻れるがいいわ！」そう言って、白鳥たちはバサバサバサーって、お城の窓から遠い空へ飛んで行っちゃった。

エリサは悲しくて悲しくて、毎日泣いていたよ。でも、ある晩、夢の中でおばあさんの妖精が出てきて、こう教えてくれたんだ。「お兄さんたちを助けたければ、チクチク痛いイラクサで、十一枚のシャツを編むのですよ。でも気をつけて。そのシャツが出来上がるまで、絶対に一言も話してはいけません。もし話したら、お兄さんたちは助からないでしょう。」

エリサは勇気を出して、お城をそっと抜け出した。森の中で、チクチクするイラクサを見つけて、素手で摘み始めた。指は真っ赤になって、ヒリヒリ痛んだけど、お兄さんたちのために頑張ったんだ。そして、誰にも見つからないように、洞窟の中で黙々とシャツを編み続けた。

そんなある日、狩りをしていた隣の国の若い王様が、美しいエリサを見つけたんだ。エリサは何も話さないから、王様は「どうしたんだろう？」と不思議に思ったけど、エリサの優しい瞳と一生懸命な姿に心を打たれて、お城に連れて帰ってお妃様にしたんだ。

お城でもエリサは、誰にもわけを話さず、夜になるとこっそりイラクサのシャツを編み続けた。でもね、お城にはエリサのことが気に入らない、口の悪い家来がいたんだ。「王様、あのお妃様は夜中に何か怪しいことをしていますぞ！きっと悪い魔法使いに違いありません！」なんて嘘を王様に吹き込んだ。

王様もだんだん心配になってきて、とうとうエリサは、悪い魔法使いとして火あぶりにされそうになっちゃった！エリサは最後のシャツを編むのに必死で、何も言い返すことができない。

広場に連れていかれて、もうダメかと思ったその時！空から十一羽の大きな白鳥が、バサバサーっと降りてきたんだ！エリサは最後の力を振り絞って、編みかけのシャツも一緒に、十一枚のイラクサのシャツを白鳥たちに投げかけた。

するとどうでしょう！シャツをかぶった白鳥たちは、次々とかっこいい王子様の姿に戻ったんだ！一番最後に編んだシャツは片袖がまだだったから、末っ子のお兄さんだけ片腕が白鳥の翼のままだったけど、みんな無事だった。

「エリサ、ありがとう！」お兄さんたちが叫んだ。
その声を聞いて、エリサもやっと話せるようになったんだ。「王様、私は…」エリサは今までのことを全部お話した。

王様も家来たちも、みんなエリサの勇気と兄弟愛に感動して、涙を流したよ。意地悪な家来はしょんぼり。

それからエリサは、優しい王様と、助け出されたお兄さんたちと、いつまでもいつまでも、仲良く幸せに暮らしたんだって。おしまい！

1239 閲覧数