トロイの木馬
ギリシア神話
みんな、こんにちは!今日は、とっても昔の、海をこえた向こうの国であった、びっくりするようなお話をするよ。
むかしむかし、ギリシャという国と、トロイアという国が、ずーっと長いこと「えい!やあ!」って戦っていたんだ。トロイアの街は、高くてじょうぶな壁に囲まれていて、ギリシャの兵隊さんたちは、なかなか中に入ることができなかったんだ。
「うーん、どうしたらトロイアの街に入れるかなあ」ギリシャの賢いオデュッセウスさんは、毎日毎日考えた。そして、ある日、ピコーン!といい考えがひらめいたんだ。
「そうだ!大きな大きな、木でできたお馬さんを作ろう!そして、そのお腹の中に、僕たちが隠れるんだ!」
ギリシャの兵隊さんたちは、さっそく大きな木をたくさん集めて、それはそれは立派な、おっきな木馬を作り始めた。トンカン、トンカン。そして、木馬のお腹のところに、こっそり隠れられる部屋も作ったんだ。
木馬ができあがると、オデュッセウスさんと何人かの強い兵隊さんが、そろーりそろーり、木馬のお腹の中に隠れた。他のギリシャの船は、まるで「もう戦うのはやーめた!さようならー!」って言うみたいに、トロイアの浜辺から去っていったんだ。でもね、実は近くの島に隠れて、様子をうかがっていたのさ。
次の朝、トロイアの人たちはびっくり!
「あれ?ギリシャの船が一隻もいないぞ!」
「わーい!ギリシャ軍は諦めて帰ったんだ!」
みんな大喜び。浜辺に出てみると、そこには見たこともないほど大きな木のお馬さんが、どーん!と立っていた。
「なんだろう、このお馬さん?」
「きっと、ギリシャの人たちが、神様への贈り物として置いていったんだよ!」
トロイアの人たちは、そう信じた。
でもね、トロイアの賢いお姫様カッサンドラは、「だめよ!あんな大きな木馬、街の中に入れちゃ危ないわ!」って言ったんだ。でも、誰もカッサンドラの言うことを信じなかった。
そこへ、ギリシャから来たという男(実はギリシャのスパイだったんだけどね)がやってきて、こう言った。
「この木馬は、女神アテナ様への素晴らしい贈り物です。これを街の中に運び入れれば、トロイアに幸運が訪れるでしょう!」
それを聞いたトロイアの人たちは、「やったー!幸運が来るぞー!」と、みんなで力を合わせて、大きな木馬を「よいしょ、よいしょ」と街の中に引っ張り入れた。ゴロゴロ、ゴロゴロ。
その夜、トロイアの人たちは「戦争が終わったぞー!」と、みんなで歌ったり踊ったり、楽しいお祭りをしたんだ。そして、疲れてぐっすり眠ってしまった。
シーンと静まり返った真夜中。
木馬のお腹の扉が、そーっと開いた。パカッ。
中から、オデュッセウスさんたちが静かに出てきて、トロイアの街の大きな門を、内側から開けちゃったんだ!
すると、近くの島に隠れていたギリシャの船が、いっせいに戻ってきて、兵隊さんたちがわーっと街の中へなだれ込んできた。
眠っていたトロイアの人たちは、びっくり仰天!
こうして、賢いオデュッセウスさんの考えた大きな木馬のおかげで、長い長い戦いは、ギリシャの勝ちで終わったんだって。
このトロイアの木馬のお話、どうだったかな?大きな贈り物には、びっくりするような秘密が隠れていることもあるんだね。
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