イアソンと金羊毛
ギリシア神話
みんなは、イアソンという名前の、かっこいいヒーローを知ってるかな?これは、そのイアソンが、キラキラ光る「金の羊の毛皮」を探しに、大冒険に出るお話だよ。
イアソンの国には、ペリアスという、ちょっといじわるな王様がいたんだ。本当はイアソンが王様になるはずだったんだけどね。ペリアスはイアソンに言った。「遠いコルキスという国にある、金の羊の毛皮を持ってきたら、お前に国をゆずってやろう。でも、できっこないだろうけどな!」これは、とっても危険で難しい命令だったんだ。
イアソンは、実は旅に出る前、おばあさんに変身した女神ヘラを助けて、川を渡る時にサンダルを片方なくしちゃったんだ。ペリアスは「片方サンダルの男に気をつけろ」という予言を知っていたから、イアソンを遠くに追いやりたかったのさ。
でも、イアソンは勇気いっぱい!「よし、行ってやろう!」と、大きな船「アルゴ号」を作った。そして、ギリシャ中から力持ちのヘラクレス、歌の上手なオルフェウス、他にもたくさんのヒーローたちが「イアソンと一緒に行くぞ!」と集まってきた。彼らは「アルゴナウタイ」と呼ばれたんだ。
さあ、冒険の始まりだ!アルゴ号は海を進む。
途中、女の人しかいない島に着いたり、フィネウスという王様をいじめる鳥の怪物ハルピュイアをやっつけたりもした。
一番大変だったのは、「シュムプレガデス」という、大きな二つの岩がガシャーン!とぶつかり合って、船をぺちゃんこにしちゃう恐ろしい場所。イアソンは、まず鳩を飛ばしてみた。鳩がサッと通り抜けたのを見て、「今だ!」とみんなで力を合わせて、アルゴ号もギリギリセーフで通り抜けたんだ!
とうとう、金の羊の毛皮があるコルキスの国に着いた。
コルキスの王様アイエテスは、いじわるな顔で言った。「毛皮が欲しければ、3つの試練をクリアしてみせろ」。
一つ目は、火を吹く二頭の牛を使って畑を耕すこと。
二つ目は、その畑に竜の歯をまき、そこから生まれてくる戦士たちと戦うこと。
三つ目は、毛皮を守っている、眠らない恐ろしい竜を倒すこと。
「こんなのできるわけない!」みんながそう思った時、アイエテス王の娘、メディアという美しいお姫様がイアソンを助けてくれることになった。メディアは魔法が使えて、イアソンに一目ぼれしちゃったんだ。
メディアはイアソンに、火を吹く牛にも負けない特別な塗り薬をあげた。イアソンはその薬を塗って、見事、牛を操り畑を耕した。次に竜の歯をまくと、地面からぞろぞろと戦士たちが出てきた!イアソンはメディアに教わった通り、戦士たちの中に石を投げ込んだ。すると、戦士たちは「誰だ、石を投げたのは!」とお互いにケンカを始めて、勝手に倒れてくれたんだ。
最後の試練、金の羊の毛皮を守る竜だ。竜は大きな目でギロリ。絶対に眠らない。でも、メディアが魔法の歌と薬草で、とうとう竜をぐっすり眠らせてしまった。
「やったー!」イアソンは、木にかかっていた金ピカに輝く羊の毛皮を手に入れたんだ!
イアソンとメディア、アルゴナウタイの仲間たちは、大急ぎでアルゴ号に乗ってコルキスから逃げ出した。アイエテス王はカンカンに怒って追いかけてきたけど、もう遅い。
長い長い冒険の末、イアソンは金の羊の毛皮を持って、無事に故郷に帰ることができた。
ペリアス王はびっくり仰天!イアソンは約束通り、本当のヒーローになったのさ。
みんな、イアソンの勇気と、仲間たちとの協力、そしてメディアの助けがあったからこそ、この大冒険は成功したんだね。
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