九牛の一毛
中国寓話
ねえ、みんな。大きな、大きな牛さんを想像してみて。うーん、一頭だけじゃないよ。なんと、九頭もいるんだ!
この九頭の牛さんたちは、みんなムキムキで、力持ち。広い野原で、のんびり草を食べているよ。「もー、もー」って、のんびりした声が聞こえてきそうだね。
さて、そのうちの一頭の牛さんのお尻のあたりから、ふわ〜っと、たった一本だけ、毛が抜けちゃった。風に吹かれて、ひらひら〜って飛んでいっちゃったんだ。
さあ、考えてみて。九頭もいる大きな牛さんたちにとって、たった一本の毛がなくなったくらい、ぜーんぜん気づかない。だって、牛さん一頭だけでも、体にはたーくさんの毛が生えているでしょう?九頭もいたら、もう数えきれないくらいだよね。
だからね、この「九牛の一毛」(きゅうぎゅうのいちもう)っていうのは、「たくさんの牛さんの中の、たった一本の毛」っていう意味なんだ。つまり、すごーく大きなものや、たーくさんあるものの中の、ほんのちょっぴり、小さな小さな一部分ってこと。あってもなくても、あんまり変わらないくらい小さいもののことを言うんだよ。
面白いでしょう?大きな大きな世界には、そんな「九牛の一毛」みたいなものが、いっぱいあるのかもしれないね。
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