• 犬と牡蠣

    イソップ寓話
    海辺をてくてく歩いている、食いしん坊のワンちゃんがいました。お腹がぺこぺこです。
    「何か美味しいもの、落ちてないかなあ」キョロキョロしながら歩いていると、砂浜に何か丸くて白いものを見つけました。
    「わあ、これはきっと美味しいたまごだ!ラッキー!」
    ワンちゃんは嬉しくなって、それが本当は何なのか、よーく見もしないで、大きな口をあけてガブリ!と力いっぱい噛みつきました。
    ガリッ!と硬い音がしました。
    「イタタタタ!」
    ワンちゃんはびっくり。口の中が痛くて、思わずそれをペッと吐き出しました。
    よく見ると、それはたまごではなく、硬ーい、硬ーい牡蠣の殻だったのです。
    「うーん、見た目だけで判断しちゃいけなかったなあ。これは食べ物じゃなかったんだ。」
    ワンちゃんは、しょんぼりしながらも、大切なことを学んだのでした。これからは、食べる前にちゃんと確かめよう、と心に誓ったワンちゃんでした。

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