ライオンとロバとキツネの狩り
イソップ寓話
広い森に、太陽がサンサンと照りつける、ある日のことでした。
ライオンと、ロバと、キツネが、「一緒に狩りをすれば、もっとたくさんの獲物が捕まえられるぞ!」と相談し、仲良く狩りに出かけることにしました。
三匹は力を合わせ、追いかけたり、待ち伏せしたりして、一日中頑張って、たくさんの獲物を捕まえることができました。獲物は山もりです!
「さあ、ロバくん、この獲物を分けてくれないか?」とライオンが言いました。
ロバは正直者です。「はい、ライオンさん!」と元気よく返事をすると、獲物をきっちり三つに分けました。「ライオンさんの分、キツネさんの分、そして私の分です。」
それを見たライオンは、カッとなりました。「なんだと!このわしと、おまえが同じだけだと?ふざけるな!」
そして、ガオーッ!と怒ったライオンは、ロバに飛びかかり、ペロリと食べてしまいました。
次にライオンはキツネに言いました。「さて、キツネくん。今度は君が分けてごらん。」
キツネは賢いので、さっきのロバの悲しい結末をよーく見ていました。
そこでキツネは、獲物のほとんど全部をライオンの前に山のように積み上げ、自分のためには、ほんのちょっぴりだけ残しました。
「おお、これは見事な分け方だ!」ライオンはとても喜びました。「キツネくん、どうしてこんなに上手に分けられたんだい?」
キツネは答えました。
「はい、それは…ロバさんの身に起こったことから、学ばせていただきましたのです。」
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