二匹の蛙
イソップ寓話
ある暑い夏の日、太陽がカンカン照りで、カエルさんたちが住んでいた池の水が、だんだん少なくなってしまいました。
「こりゃ大変だ!お水がなくなっちゃう前に、新しいおうちを探しに行こうよ」
「そうだね、そうしよう!」
二匹のカエルは、ぴょんぴょんと跳ねながら、新しい住処を探す旅に出かけました。
しばらく行くと、古くて深ーい井戸を見つけました。
一匹目のカエルが井戸の中を覗き込んで言いました。
「わあ、見てごらん!あそこには水がたくさんありそうだぞ!ここなら安心だ。さあ、一緒に飛び込もう!」
そして、今にも飛び込もうとしました。
すると、もう一匹のカエルが言いました。
「ちょっと待って、友達よ。確かに水はありそうだけど、もしこの井戸の水も乾いてしまったら、どうやってここから出るつもりだい?こんなに深い壁を、僕たちの力で登れるわけがないじゃないか。」
それを聞いて、飛び込もうとしていたカエルは、はっとしました。
「本当だ…。君の言う通りだね。よく考えずに飛び込むところだった。危なかったよ。」
二匹のカエルは、もっと安全で、何かあっても逃げ出せるような場所を探して、また旅を続けることにしたのでした。
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