• 強情な子供

    グリム童話
    あるところにね、それはそれは言うことを聞かない男の子がいました。お母さんが「これをしなさい」と言っても、男の子は「やだもーん!」と首を横に振るばかり。お母さんが「あっちへ行ってはだめよ」と言っても、わざとそっちへ走っていくのです。本当に、お母さんの言うことを何一つ聞こうとしませんでした。

    だから、神様もちょっと困ってしまって、男の子を病気にさせてしまいました。どんなお医者さんが見ても、もう治すことはできません。そして、とうとう男の子は小さなベッドで静かに息を引き取り、お墓に埋められました。

    ところが、次の日、お墓を見てみんなびっくり。なんと、男の子の小さな腕が、土の中からにょきっと突き出ていたのです!人々は腕を土の中に戻して、新しく土をかけましたが、次の朝になると、また腕が出てきています。何度やっても同じこと。男の子は、お墓の中でもまだ言うことを聞かないみたいでした。

    これにはお母さんも困り果て、とうとう自分で細い木の枝を持ってきて、その腕をそっと、でもしっかりと叩きました。すると、不思議なことに、腕はすーっと土の中へ引っ込んで、それからはもう二度と出てくることはありませんでした。男の子は、やっと静かに眠りについたのでした。

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