• オーディンのルーン文字

    北欧神話
    ねえ、オーディンっていう、とってもかしこい神様のことを知ってるかな? オーディンは神様たちの王様で、いつもいろんなことを知りたいって思っていたんだ。

    ある日、オーディンは「ルーン文字」っていう、ふしぎな魔法の文字のことを聞いたんだ。その文字を知れば、世界のいろんな秘密がわかるっていうんだ。「うーん、それはぜひ知りたいぞ!」オーディンはわくわくしたよ。

    でもね、そのルーン文字は、簡単には手に入らない。世界のまん中にある、大きな大きな木「ユグドラシル」のてっぺんの、そのまた奥に隠されているって言われてたんだ。しかも、それを手に入れるには、とっても大変な試練を乗り越えなくちゃいけないって。

    オーディンは決心した。「よし、ルーン文字を手に入れるぞ!」
    そして、ユグドラシルの一番高い枝に、自分をロープでつるしたんだ。まるで、木からぶらさがっているみたいにね。それから九日間、何も食べずに、何も飲まずに、じーっとそこにいたんだ。風がびゅーびゅー吹いても、雨がザーザー降っても、オーディンはがまんした。自分の持っていた槍で、自分自身をそっと突いたりもしたんだ。ちょっと痛かったけど、これもルーン文字のためだって。

    九日目の夜が明けたとき、オーディンの目の前に、キラキラ光るルーン文字が浮かび上がってきたんだ!「やったー!」オーディンは大喜び。つらかったけど、がんばったかいがあったね。

    こうしてオーディンは、ルーン文字の知恵を手に入れて、もっともっと賢い神様になったんだ。そして、その知恵を人間たちにも少しだけ教えてあげたんだって。だから、みんなも新しいことを学ぶとき、オーディンみたいにがんばってみると、きっと素敵なことがわかるかもしれないね。

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