• ガチョウと金の卵

    イソップ寓話
    太陽がキラキラ輝く、のどかな村がありました。そこに、正直で働き者のお百姓さんが住んでいました。お百姓さんはあまりお金持ちではありませんでしたが、毎日一生懸命働いていました。

    ある日、お百姓さんは市場へ行って、まるまると太った一羽のガチョウを買ってきました。「これで卵がたくさん食べられるぞ」と喜びました。

    次の朝、お百姓さんがガチョウ小屋へ行ってみると、びっくり仰天!ガチョウのそばに、ピカピカ光る卵が一つ転がっていたのです。「おやまあ!これは金の卵じゃないか!」お百姓さんは目をこすりましたが、それは本当に美しい金の卵でした。

    それからというもの、その不思議なガチョウは毎日必ず一つ、金の卵を産みました。お百姓さんは金の卵を町へ持っていって売り、あっという間に大金持ちになりました。立派な家を建て、美味しいものをたくさん食べられるようになりました。

    でも、お金持ちになるにつれて、お百姓さんはだんだん欲張りになってきました。「毎日一つずつなんて、待ちきれないなあ。あのガチョウのお腹の中には、きっと金の卵が山ほど詰まっているに違いない。一度に全部取り出してしまえば、もっともっと大金持ちになれるぞ!」

    とうとう我慢できなくなったお百姓さんは、大きな刃物を持ってきて、ガチョウのお腹をスパッと切ってしまいました。

    しかし、どうでしょう。ガチョウのお腹の中をいくら探しても、金の卵は一つも見つかりません。そこには、普通のガチョウと同じように、肉や骨があるだけでした。

    お百姓さんはがっくりと肩を落としました。「ああ、なんて馬鹿なことをしてしまったんだ…」
    欲張ったせいで、毎日金の卵を産んでくれる大切なガチョウを殺してしまい、もう二度と金の卵を手に入れることはできなくなってしまったのです。お百姓さんは、ただただ後悔するばかりでした。

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