ディトマールシェンの嘘
グリム童話
みんな、びっくりするようなお話を聞きたいかい? 僕が旅した、とーっても不思議な国の話だよ。
その国ではね、キャベツがお家みたいに大きくて、橋はたった一本の動物の骨でできていたんだ。びっくりだよね?
空飛ぶお魚を見たことがある? その国では、お魚がヒューンって空を飛んで、ミツバチは羊さんくらい大きかったんだよ! ぶんぶん飛ぶ音がすごかったなあ。
それからね、クルミの実が、自分で他のクルミをパカッて割るんだ。賢いだろう? バターでできた大きな山もあって、ロバさんは鼻がピカピカの銀色だったんだ。
ある時、二羽のこんがり焼けたニワトリが、お空をプカプカ飛んでいくのを見たんだ。お腹を上にして、気持ちよさそうにね! 「おいしそうだなあ」って思ったよ。
それから、凍った湖の上を二羽のガチョウがスイスイ泳いでいて、そのそばで鍛冶屋さんが氷の上で馬に新しい靴を履かせていたんだ。カチンコチンだったろうなあ!
僕はね、親指だけで畑を耕すおじさんや、口笛を吹くだけでウサギを捕まえちゃう名人にも会ったんだ。すごい特技だよね。
そうそう、小さなカメムシが大きなヤギを追いかけたり、カエルさんが鉄をポリポリ食べたりもしてたっけ。本当に面白い国だったよ。
どうだい? 僕が見てきたこのお話、本当だと思う? うーん、もしかしたら、ぜーんぶ僕の楽しい夢の中だったのかもしれないね!
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