世界樹ユグドラシル
北欧神話
みんな、想像してみて!空よりもずーっと高くて、地面のずーっと下まで根っこが伸びている、すっごく大きな木があるんだ。
その木の名前はユグドラシル。世界中をつなぐ、とっても大切な木なんだよ。
ユグドラシルのてっぺんにはね、キラキラ輝く神様たちの世界「アスガルド」があったんだ。そこには、勇敢な神様たちが住んでいて、毎日楽しく過ごしていたよ。一番高い枝には、賢いワシがとまっていて、遠くの遠くまで見渡していたんだ。
木の真ん中へんには、私たち人間が住む「ミッドガルド」がある。ユグドラシルが、この世界をしっかり支えてくれているから、私たちは安心して暮らせるんだね。木の幹の周りでは、四頭のシカさんたちが、おいしそうに葉っぱをムシャムシャ。これもユグドラシルの元気のしるしなんだ。
そして、ずーっと下の根っこのところには、ちょっぴり暗いけれど大切な「ニヴルヘイム」っていう世界や、霧の国「ニヴルヘル」があった。そこには大きな竜のニーズヘッグがいて、ときどき根っこをカジカジ。でも大丈夫、ユグドラシルはとっても強いからね。
このワシさんと竜さんの間を、おしゃべり好きなリスのラタトスクが、行ったり来たり。てっぺんのニュースを下に伝えたり、下の文句を上に届けたり、大忙し!「ワシさんがこう言ってたよー!」「ニーズヘッグが怒ってるぞー!」なんてね。
ユグドラシルの根っこのそばには、「ウルズの泉」っていうきれいな泉があって、そこには三人の賢い運命の女神、ノルンたちがいたんだ。彼女たちは毎日、泉の聖なる水でユグドラシルを元気にして、みんなの運命を糸で織っていたんだって。過去、現在、未来のすべてを知っているんだ。
神様の中の王様、オーディンも、このユグドラシルからたくさんの知恵を授かったそうだよ。だから、ユグドラシルはただの木じゃなくて、世界中の知識も持っているんだね。
ユグドラシルは、こうしていろんな世界を繋いで、たくさんの生き物たちと一緒に生きていたんだ。嬉しいことも、ちょっと困ったことも、全部この大きな木が見守っていたんだね。
だから、もし君が空を見上げて、とっても大きな木を想像したら、それはユグドラシルかもしれないね。たくさんの物語が、その枝や葉っぱの間で、今もささやかれているかもしれないよ。
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