みんな、聞いて！ とってもとっても昔のこと。空から雨がザーザー、川の水はゴーゴー、大変なことになっていたんだ。

村もお家も畑も、みーんな水びたし。人々は高い山に逃げて、毎日お腹を空かせて困っていた。「どうしよう、どうしよう」って、みんな泣いていたんだ。

その時の王様、舜（しゅん）という人も、とても心配していた。そこで、まず鯀（こん）という人に「お願いだ、この大水をなんとかしておくれ」と頼んだ。鯀は一生懸命、土や石で大きな壁をたくさん作って、水を止めようとした。でもね、水はもっともっと強くて、壁をドーンと壊しちゃった。9年も頑張ったけど、うまくいかなかったんだ。

王様は次に、鯀の息子の禹（う）という、若くて賢い人に頼んだ。「禹よ、お父さんの仕事を継いで、人々を助けておくれ」

禹は考えた。「お父さんは壁を作って水を止めようとしたけど、ダメだった。そうだ！水の行く道を作ってあげればいいんだ！」

禹は大きなシャベルみたいな道具を持って、仲間たちと一緒に山をガンガン掘り始めた。川の底の土や泥をどけて、川を深く広くしたんだ。そして、水がスムーズに海へ流れていけるように、新しい水路もたくさん作った。

それはもう、ものすごく大変な仕事だった。禹は13年間も、お家に帰らないで働き続けた。自分の家の前を三回も通ったけど、「みんなを助けるのが先だ！」と言って、一度も中に入らなかったんだって。お腹が空いても、疲れても、雨が降っても、雪が降っても、禹は休まなかった。

そして、とうとう！禹たちが作った新しい川や水路を通って、あふれていた水がどんどん海へと流れていったんだ。水が引いた土地には、また作物が植えられるようになった。人々は山から下りてきて、安心して暮らせるようになった。

「わーい！禹さまのおかげだ！」「ありがとう、禹さま！」みんな大喜びで、禹に感謝した。

禹の頑張りのおかげで、国は平和を取り戻した。そして、人々はこんなに賢くて、みんなのために一生懸命働いてくれる禹こそ、次の王様にふさわしいと思ったんだ。こうして禹は、みんなに尊敬される立派な王様になったんだって。すごいよね！

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