亡羊補牢
中国寓話
羊さんたちと、一人の男の人が住んでいる、小さな村がありました。男の人はたくさんの羊を飼っていて、毎日お世話をしていました。羊さんたちは、木の柵で囲まれた広い場所で、のんびり草を食べていました。
ある朝、男の人が羊の数を数えると、「あれ?一匹足りないぞ」。よく見ると、柵の一部が壊れて、ぽっかり穴が開いていました。「まいったなあ。でも、まあ、一匹だけだし、いっか」。男の人はそう思って、穴をそのままにしてしまいました。
次の日の朝、また羊が一匹、その次の日もまた一匹と、穴から逃げ出してしまいました。男の人はだんだん心配になってきました。「うーん、どうしよう。これじゃあ、羊がみんないなくなっちゃうよ」。
しょんぼりしている男の人を見て、お隣のおばあさんが声をかけました。「あらあら、どうしたんだい?羊さんたちが少なくなっているようだけど」。
男の人が事情を話すと、おばあさんは優しく言いました。「それなら、今からでも遅くないよ。すぐに柵の穴を修理すれば、もう羊は逃げ出さないさ」。
男の人は「そっか!まだ間に合うんだ!」と気づき、すぐに道具を持ってきて、一生懸命に柵の穴を直しました。トンテンカン、トンテンカン。丈夫な柵が出来上がりました。
それからというもの、羊が一匹も逃げ出すことはなくなりました。男の人はほっとして、おばあさんに言いました。「ありがとう!もっと早く直せばよかったけど、今からでも直して本当によかったよ」。
失敗しても、それに気づいてすぐに改めれば、大丈夫。このお話は、そんなことを教えてくれているのかもしれませんね。
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