狼と影
イソップ寓話
ある日の夕暮れ時、一匹のオオカミがのんびり散歩をしていました。太陽がだんだん低くなって、オオカミの影がぐーんと長く伸びました。
オオカミは自分の長い影を見て、びっくり!「うわあ、見てごらん!僕の影、なんて大きくて立派なんだ!」
「こんなに大きな僕が、どうしてライオンなんかを怖がる必要があるんだい?僕こそが森の王様にふさわしいじゃないか!」
オオカミはすっかり得意になって、胸を張りました。「そうだ、僕が一番強いんだ!」
そのときです。本物のライオンが、大きな口を開けてオオカミの目の前に現れました。ガオー!
オオカミは「あっ!」と叫ぶ間もなく、ライオンにガブリとやられてしまいました。
「ああ、自分の影の大きさにうぬぼれて、本当の強さを見誤ったなあ」と、オオカミは後悔しましたが、もう遅かったのです。
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