• タロスの青銅巨人

    ギリシア神話
    みんな、ピカピカ光る大きなロボット、好きかな? 今日はね、そんなロボットみたいだけど、もっとずーっと昔にいた、青銅の巨人タロスのお話だよ。

    むかしむかし、ギリシャのクレタ島という美しい島がありました。この島を守るために、火と鍛冶の神様ヘパイストスが、特別な巨人を造りました。その名もタロス!

    タロスは全身ピカピカの青銅でできていて、太陽の光を浴びるとキラキラ輝きます。毎日、島の周りを三回もパトロールして、悪いやつらが近づかないか見張っていました。もし船が見えたら、「どーん!」と大きな岩を投げて追い払うんです。それでも近づく悪いやつには、自分の体をかーっと熱くして、ぎゅーっと抱きしめてやっつけました。熱々ハグはちょっと怖いね!

    でもね、タロスにはたった一つだけ弱点がありました。それは、かかとにある一本の釘。この釘が、タロスの体の中を流れる特別な、神様の血が外に出ないようにしていたのです。もしこの釘が抜けちゃったら、大変なことになっちゃうんです。

    ある日、アルゴ号という船に乗った英雄イアソンと、その仲間たちがクレタ島にやってきました。タロスはいつものように岩を投げて追い払おうとしましたが、船には魔法使いのメディアが乗っていました。

    メディアは賢い魔法使い。タロスに優しく話しかけました。「タロスさん、そのかかとの釘を抜いたら、もっと強くなれるし、不死身になれるんですよ」なんて、うまいことを言ったんです。タロスはそれを信じてしまって、自分で釘を抜いてしまいました。(または、メディアが魔法で眠らせて抜いた、というお話もあるよ)。

    すると、さあ大変!特別な血がどんどん流れ出して、タロスは力が入らなくなり、大きな音を立てて倒れてしまいました。

    こうして、クレタ島を守っていた青銅の巨人タロスのお話はおしまいです。どんなに強くても、たった一つの弱点があったり、うまい話にだまされちゃったりすることもあるんだね。みんなも、知らない人の甘い言葉には気をつけてね。

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